絵が綺麗『赤のテアトル』のネタバレ＆あらすじ！枕営業だっていとわない…あなたの夢のためならば…丸ごと1巻無料で読める

2021-04-162021-04-22

こちらではBL漫画『赤のテアトル』のネタバレを含むあらすじや見どころ、感想について書いています。作品を無料で読む方法、安く読む方法についても紹介してあります。

パリのファッション界で名を馳せた靴の会社「アバルキン」のゴーストデザイナー兼側近のアダムと、社長でありミューズのユーリの歪なバランスの恋を描いた『赤のテアトル』。数々のヒット作を生み出した緒川千世先生の作品であるこちらの作品ですが、ドラマCD化もされています。気になる方はぜひ漫画と一緒に楽しんでみてください！

『赤のテアトル』を無料で何巻読めるかや安く読める電子書籍サイトを調べていますのでぜひ参考にしてください！

『赤のテアトル』漫画情報

 

『赤のテアトル』のネタバレ含むあらすじ

パリのファッション界で名を馳せ始めたシューズブランド「アバルキン」にはある秘密がありました。一つは社長兼デザイナーのユーリ・アバルキンが枕営業をしていること。もう一つは本当は靴のデザインはユーリではなく側近のアダム・クトーがしているということでした。ユーリが「アバルキン」を継いだのも、「アバルキン」を大きくするのも、そのために好きでもない相手に体を開くのも、全て思いを寄せているアダムのためなのです。

かつてアダムは「アバルキン」の既製靴工場で働きながら、自分の靴を作ることを夢見てデザインを描き続けていました。そのデザインが「アバルキン」の創設者でありユーリの母、ユリヤ・アバルキンの目に留まり、アダムはユリヤの小間使いとして働くことになります。ユリヤの書斎の一角を借り、アダムは自分のハイヒールを作り始めました。アダムが考えたハイヒールはユリヤのデザインとして発表され、アダムは自分が利用されていることを知ります。けれどもアダムは自分のデザインが世界に通用することを知ったアダムは、美しさへの果てない欲求から靴を作り続けます。

アダムがユリヤのそばで働き始めてから五年が経ったある夜のことです。ユリヤは階段を踏み外して転落し、あっけなく死んでしまいました。「もうここには自分の靴を履いてくれる人はいない」と言い、出て行こうとするアダムを「自分が母の代わりになる」とユーリは引き止めました。初めてハイヒールを履き、歩けそうにないと言うユーリにアダムは「ユーリがアダムの靴を履いてくれる限り、ユーリのことはアダムが支えるから問題ない」「二人で世界を手に入れよう」と告げるのでした。

調子良く規模を拡大しているかに見えた「アバルキン」でしたが、「介助なしで歩けないような靴を芸術だと言って売りつけているアバルキンは詐欺師だ。女性の尊厳を奪っている」という一つの批判記事が出たことから徐々に雲行きが怪しくなります。イメージを気にするセレブたちは真っ先にアバルキンと距離を置き、マスコミも同調するかのようにアバルキンの収益減を報道し、更に顧客離れが加速する事態となりました。この事態を乗り切るためにどうすればいいのか、と悩むアダムに副社長であるミハイルが提案したのは社長であるユーリを退任させることでした。最初は反対していたアダムでしたが、無茶をするユーリを見ていられなくなりその提案を受け入れると告げます。ユーリのことをあくまでも「アバルキンのミューズ」として好きなだけだと思っていたアダムでしたが、いつしか一人の人間としてユーリのことを好きになっていたのでした。

社長を退任させられると知ったユーリは、新体制発表の記者会見を前にして逃げ出してしまいます。自分以外がアダムのミューズになることが耐えられなかったのです。アダムだけでも記者会見に行けというミハイルを振り切って、アダムはユーリを探しにいきます。刃物を持った男に刺されそうになったユーリを庇い、代わりに刺されたアダムはユーリに自由になれと告げるのでした。

物語の最後はユーリとアダムが、南仏の片田舎でひっそりと暮らしている場面で締めくくられます。一緒に生きていくことを決めた二人がどのように考え、どのように暮らしているのか、二人は本当に自由になれたのか、ぜひ自分自身の目で確かめて、考えてみてください。

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『赤のテアトル』の見どころ

「いつまでも、お前は踊らなくてはならぬ。赤いくつをはいて、踊っておれ。お前が青じろくなって冷たくなるまで、お前のからだがしなびきって、骸骨になってしまうまで踊っておれ」

これは、アンデルセン著の『赤いくつ』という童話の中に出てくるフレーズの一つです。このフレーズは『赤のテアトル』冒頭で引用され、そしてユーリ冒頭のシーンで童話『赤いくつ』の主人公のように、母親の葬式に赤いハイヒールを履いて登場します。

クライマックスのシーンで腕を刺され、意識が朦朧とする中で「最初から踊らされていたのは僕だったのか」と考えながら倒れ込むアダムの靴が血で真っ赤に染まる場面でも、『赤いくつ』のフレーズが登場します。

他にも作品の各所に散りばめられた童話『赤いくつ』を彷彿とさせるシーンやフレーズの引用がいくつもあります。童話が好きな方や作品内の考察を楽しむのが好きな方はより一層作品を楽しむことができるのではないでしょうか。

『赤のテアトル』を実際読んだ感想

物語のクライマックスで腕を刺されたアダムが、ユーリに「自由になれ」と言うシーンがとても印象的でした。その時に刺された時の傷が原因でアダムの右腕は動かなくなってしまったのです。不自由な腕で恵まれない子供たちに礼拝用の靴を作り続けるアダムと歴史的建築物の修復の仕事についたユーリ。どことなく童話『赤いくつ』の結末を思わせるような物語の終わり方には考えさせられるものがたくさんあると感じました。

ユーリはアダムの右手が自分を庇って動かなくなったことをずっと気に病み続けています。そして許さないでほしいとアダムにも言いました。それに対してアダムは今もユーリだけが世界で一番きれいだと、もう誰にも見せてやるものかと、ずっとアダムの前でだけ踊っていてほしいと言葉を返すのです。自由になったようでお互いの存在に囚われ続けている二人の心を象徴するように、二人が暮らす家のクローゼットにはひっそりと赤いハイヒールがしまってあるのでした。