BLコメディ『人殺しが神父さんに一目惚れ』のネタバレ＆あらすじ！くすっと笑える癒しをぜひ！

2021-05-07

BL漫画『人殺しが神父さんに一目惚れ』を実際に読んでみました。シリアスもあるのに、なぜか癒される…ネタバレを含むあらすじや感想、見どころも教えます！

『人殺しが神父さんに一目惚れ』は、白崎が原作者です。実業之日本社の『リュエルコミックス』で掲載されました。人が死ぬ瞬間の光を失う目に魅かれる少年、姫山喜一（ひめやまきいち）は、ある日、そんな目をした神父の神代宝（かみしろたから）に出会いました。いつものように殺そうと襲った喜一ですが、宝は襲われたことに全く気付かないどころか、ものすごい勘違いをしている天然神父。優しい宝に喜一は戸惑い、殺意はだんだんと恋心に変わっていく…。「殺したいほど恋してる」シリーズの第一弾！表情筋死滅の神父×人殺しの少年の、ボケとツッコミが入り交じったBLコメディです。

読んだことがない方は『人殺しが神父さんに一目惚れ』を無料で読む方法を調べてみたので、ぜひ参考にしてくださいね。神父さんの天然っぷりが面白いです。

『人殺しが神父さんに一目惚れ』漫画情報

 

『人殺しが神父さんに一目惚れ』のネタバレ含むあらすじ

姫山喜一はどこにでもいるごく普通の高校生でした。家族を殺され、自分も殺されそうになり正当防衛した結果、人殺しになってしまうまでは。姫山は騒ぎ立てるマスコミから逃げるように親戚のいる街へ引っ越しましたが、人の目が怖いと感じるようになってしまいます。苦しい思いを抱えた彼は殺人犯が命を失う時の、光を失う瞬間の目を思い出します。もう怖いものはないんだと知らせるような、殺人犯の目が光を失っていく瞬間。彼にとっての脅威は去った時のその様子を綺麗だと、その様子をまた見たいと思ってしまった姫山は殺人を犯すようになりました。

「悪いことをした、殺しても良い悪者のリスト」に従いながら殺人を重ねていく姫山はある日、変わった神父に出会います。自分に刃を向けた姫山をお腹が空いているからだと勘違いし、人を食べるのはお勧めしないと真顔で言い切り食事を与え、さらには追加の食料までも渡してくる変わり者の神父に姫山は恋に落ちてしまいました。神代宝と名乗った神父はまたいつでも来ると良い、と姫山に言います。

熊を倒し、人喰いザメを四匹相手にし、巨大な蛇と戦い、さらには神を守るために一年森にこもり、とありえないほど強く変わりもので、しかし優しい神代のことを姫山はどんどん好きになっていきます。

そんなある日、姫山は神代の幼馴染だという警察、王嶋剣と出会います。出会い頭に「血の匂いがする」と言ってきた王嶋を警戒する姫山でしたが、神代と王嶋の過去の話を聞き、王嶋と接するうちに彼の優しさに心が少し揺らぐのでした。

一度は神代に刃を向けた姫山でしたが、「神代は本当に悪い人なのだろうか？」と疑問を抱きます。彼は情報をくれた桜庭千秋のところへ真実を確認しに行きました。桜庭は表の顔はパン屋、裏の顔は情報屋として活動している人間です。彼に確認をし直し、神代は悪い人間ではないとわかった姫山は安心しますがそこで王嶋と再会してしまいます。何故かお互いを認識するなり言い争いを始めた桜庭と王嶋でしたが険悪な様子はなく、むしろ仲は良いようです。

日々を過ごしていくうちに、姫山は人を殺せなくなっている自分に気がつきます。人の目が怖いという感情は消えません。しかし神代のことを考えると殺せないのです。姫山は人殺しをやめる決意をします。

同時に王嶋は連続殺人犯が姫山であると突き止めていました。王嶋は姫山が殺人に至った動機やなぜ情報がなかなか見つからなかったのかを情報屋である桜庭へ確認しに行きます。そこで姫山の過去について知り、姫山自身に彼がどうするのか選択を委ねました。

王嶋の元から教会へ走ってきた姫山は教会の告解部屋にて自分の罪を神代に告白します。自首するつもりであること、もう教会には来ないつもりであることを話し、去ろうとする姫山。そんな姫山に対して神代は姫山を見守るべきだとわかっているのに引き止めたいと思ってしまう、それが自分の罪だ、と告げます。姫山の罪を一緒に背負い、一緒に償いの道を行くと言う神代にそんな幸せな道は許されないと言う姫山でしたが、姫山がいなくなると神代の心は悲しいと、世界中に姫山が許されなかろうと神代だけは姫山のことを許そうと、そう言いました。二人は罪を償いながら一緒に生きていくことを選び、教会で善行を積みながら暮らしていくのでした。

『人殺しが神父さんに一目惚れ』の見どころ

この作品の見どころはなんと言ってもテンポの良さではないでしょうか。「人殺しと神父の恋」というヘビーなテーマをどう描くのかと思って読んでいましたが、テンポの良いギャグにストーリー運びでサクサクと読み進めることができました。本を読むことが苦手であったり漫画でも文字の多い作品を読むことにはとまどってしまったりという方にぜひおすすめです。

しかし決して軽いだけの話ではありません。姫山がなぜ連続殺人を犯すようになってしまったのか、その経緯や彼の葛藤、心理などが繊細な描写で描かれていきます。人殺しの身で神父である神代に思いを寄せて良いのか、そんなことは許されるのかと考えながらもどんどん恋心を募らせていく姫山の心理描写は圧巻です。

昔の怪我が原因で表情筋が死滅してしまい滅多に表情が変わらない神代ですが、姫山と過ごすにつれてふとした瞬間に表情がこぼれ落ちることがあります。逆に姫山はくるくると表情が変わり、心の動きによって様々な表情を見せてくれます。そんな対照的な二人の恋模様から目が離せない一冊です。

『人殺しが神父さんに一目惚れ』を実際読んだ感想

テンポ良く読むことのできる作品が大好きなので、とても楽しく読み進めることが出来ました。登場人物たちのどこかずれたような、コントのようなやりとりは必見です。ギャグだけでなくシリアスなパートも小気味よく進んでいくので爽快な読み応えがあります。

また、人間の価値観や行動について深く考えさせられるテーマを持つ作品だと感じました。「殺して良い悪いことをした人間」のみを選んで殺して回っていた姫山や、警察でありながら、そして姫山の真実を知りながらも彼を見逃し神代の元へ向かわせた王嶋、姫山の友人でありながらも「観察」のためにわざと姫山の情報を完全に隠さなかった桜庭。自分が彼らと同じ立場に置かれたらどう行動していたのか？と考えることでより一層作品の味わいに深みが増していくかもしれません。

いつ許されるかもわからない罪を償いながらも神代と生きていくことを決めた姫山。姫山を失うことよりも、姫山と共に償いの道を歩むことを選んだ神代。彼らのこれからの人生を応援していきたいと強く思いました。