無料試し読み『ありがとう』のネタバレ&あらすじ!無料で読む方法&半額で読む方法はある?

2021-01-15

ネタバレ記事「ありがとう」アイキャッチ

今回は、漫画『ありがとう』を実際に読んだネタバレを含むあらすじ、感想、見どころなどをまとめてみました。

『ありがとう』は、山本直樹が原作者です。『ビッグコミックスピリッツ』で連載されました。家族とは何かとうテーマで1996年に映画化されています。キャストには主人公演じる奥田瑛二さんや早勢美里さんと兄妹役を演じました。原作でも輪姦やいじめなどといった衝撃的な事が家族に襲い掛かかりインパクトありましたが、映画でも原作と同様インパクトのある作品を描いていました。

まだ全巻読んだことがない方はぜひ『ありがとう』を無料で読む方法や安く読む方法をチェックし、家族とは何かについて考えてみてください。

『ありがとう』漫画情報

『ありがとう』無料試し読み 『ありがとう』無料試し読み

 

漫画タイトル

ありがとう

作者名

山本直樹

掲載雑誌

ビッグコミックスピリッツ

連載終了の全巻数

 

連載中の既刊巻

4巻

『ありがとう』のネタバレ含むあらすじ

「家庭とはなんでありましょうか?それは暴力に満ちあふれたこの世界から逃れ、私たちが平和と安全を得られる最後の場所ではないでしょうか?」

サラリーマン・鈴木一郎は、5年ほど北海道に単身赴任していました。

今、久々に我が家へと向かっていた彼は、その時まだ知りませんでした。もう半年も戻っていない彼の家が、その頃異常事態に陥っていたことに…。

その頃鈴木家は、何故か不良に占領されていました。高校生の長女・昌子はその不良たちに薬漬けにされ、四六時中輪姦されています。妻のさくらは酒浸りで、昌子が目の前で強姦されていても石のように動きません。そして次女の貴子は、自慰をしているところを不良のリーダー格・カクマに見つかり、写真を撮られてしまいます。

そんな中…一郎が帰ってきました。

一郎は自身も負傷するものの不良たちをどうにか撃退し、そのうちの一人を捕らえて尋問します。その不良が言うには、彼らは昌子をチンピラから助けるふりをしてホテルに連れ込み、彼女を薬漬けにして強姦したということでした。そして、父親の不在や母親がアルコール依存症でふぬけているのをいいことに、鈴木家を占領していたのです。

しかし、その時外で異変が起こります。追い出された不良たちが、仲間を大量に引き連れて家を取り囲んでしまったのです…!彼らは、捕らえている仲間を返せと要求してきました。

警察を呼ぼうとする貴子を、「大事な家族を警察なんかにまかせられるか」と、一郎は制止します。警察が来ようものなら、不良に怪我を負わせた自分を傷害容疑か何かで連行し、彼が不在となった家を再び不良が乗っ取るだろうと一郎は考えていたのです。そんな一郎に構わず電話しようとした貴子ですが、なんと不良たちによって家の電線が切られていたのでした…。

どんどん増える不良たちに構わず、一郎は何故かケーキを作り始めました。今日は昌子の誕生日だったのです。しかし、とうとう不良たちに電気ケーブルまで切られてしまいます。

自宅のオーブンが使えなくなった一郎は、屋根伝いに隣の家に忍び込んで無断でオーブンを借り、ケーキを焼き上げました。その後デコレーションしてケーキを完成させた一郎は、家族を集めて昌子の誕生日を祝います。

そして頼んでいた出前のフライドチキンを受け取ると、そこに入っていたのは愛犬・チロの生首でした…。家を取り囲む不良たちがチロを殺し、その首を入れたのです。家の外では彼らがチロの首のない胴体を振り回して遊んでいました…。

翌日も頑なに警察を呼ぼうとせず、家に立てこもる一郎。

その晩、一郎の行動に我慢の限界がきた貴子は、外に出ようとして一郎ともみあいになります。

そして一睡もしていなかった一郎は、その末に意識を失ってしまいました。

貴子たちはその隙に一郎を拘束して、玄関を開け捕らえていた不良を引き渡します。…が、カクマたち不良は帰らずに、そのままぞろぞろと家に侵入してくるのでした…!

家に入ってきた不良たちによって、一郎の見ている前で昌子が再び慰み者にされてしまいます。

貴子は、不良たちが家に入って来るや携帯電話を持って自分の部屋に立てこもり、警察に通報するのでした…。貴子の通報により、警察に連行された不良たち。

そして一郎も、不良に怪我を負わせたことで、事情聴取の為半ば強制的に連行されてしまうのでした。

静寂が戻った鈴木家。ようやく意識のはっきりしたさくらは、「お父さん散らかってるの一番嫌がるから」と、大急ぎで家中を掃除し始めます。そして昌子は、何かに取りつかれたように、浴室で自分の身体を洗い続けていました。その時、薬が抜けたのか急激に彼女の意識ははっきりとし、何をされていたか理解した昌子は…絶叫するのでした……。

絶叫する昌子にも構わず、延々と掃除をし続けるさくら。貴子はどうしたら良いかわからず、困り果てます。その時、一本の電話がかかってきました。

その頃一郎は、不良の一人に全治3か月の重傷を負わせたとして、留置所に入れられ眠っていました。そして、彼はある夢を見ていたのです。

コンビニの前に、泣き叫ぶ子供を置き去りにしたまま車で去っていく夢…。その子供が昌子なのか貴子なのか、それともほかの誰かなのかはわかりません。泣き叫ぶ子供を置き去りに、一郎は振り返りもためらいもせず、アクセルを踏み続けるのです。

彼は、ここ数年の間、何度も何度も、繰り返しその夢を見ていました。そんなことをしたことも、したいと思ったこともないのに。

警部が来て、彼に一郎は帰されることとなったと伝えます。不良の親が訴えを取り下げたということですが、実際は何か取引をしたようでした。不良のリーダー・カクマは地域の有力者の息子で、彼の親が警察署長に頼み込んだのです。

警部ともめる一郎の前に、貴子が現れました。電話を受けた彼女は、一郎を迎えに来たのです。構わず警部と言い争いを続ける一郎の前で、貴子は泣き出してしまうのでした…。

その後、とりあえずの平穏が戻った鈴木家。昌子は時々夜うなされるものの、何事もなかったかのように学校へ通っています。さくらは前ほどではないもののアルコール依存は治っておらず、一郎に隠れてお酒を飲んでいました。そして一郎は、不良たちを警戒して、あれから毎日娘たち二人の登下校の送り迎えをしています。

一方、カクマたち不良は、昌子と同じ制服の女生徒にある頼みごとをしていました…。

次の日、登校して教室に入った昌子の目に映ったのは…黒板に張り付けられた、自分が不良たちに輪姦されている写真でした…!翌日から、昌子は登校拒否するようになってしまいました。昌子が頑なに理由を言わないため、一郎は学校に乗り込んで直談判しますがのらりくらりとかわされてしまいます。

一郎は昌子を問い詰め、彼女の前に包丁を置くと「本当に死ぬほど行きたくないなら、ここで手首を切って行動で示してみろ」と言いました。

そして昌子は、ためらいもなく手首を切ってしまうのでした…!まさか本当に切ってしまうとは思わなかった一郎は、うろたえながら救急車を呼びます。昌子は動脈まで深く切り、もう少しで出血多量で死んでしまうところでした。

あれから、一郎はずっと有休をとって家に居続けています。そして昌子の手首はどうにかつながったものの、彼女は学校を中退しました。そんなある時、一郎は会社の部下から希望退職を薦められます。一郎は、リストラ対象者に挙げられていたのです。

悩んだ末、一郎はある条件を出して希望退職を受け入れました。その条件とは、再就職先を『常に家族が一緒にいれる仕事』にしてほしい、というものでした。

そして一郎はステーキハウスの店長として働き始めたのです。

昌子とさくらも、同じレストランでアルバイトをしています。貴子も、学校が終わると家族たちが退勤するまでお店にいました。しかし彼女は、それがたまらなく嫌でした。

一郎は何かと昌子に「気にするな」と励ますのですが、それが追い打ちとなっていることに気付かない彼に、貴子は苛立ちを覚えていました。そして何も言い返さない昌子にも苛立ち、自分も彼女に追い打ちをかけてしまうのでした。

そんな中、そのレストランに貴子の親友の『よっちゃん』が家族と一緒に来店しました。こんなところを見られたくなかった貴子ですが、彼女とあれこれ会話をしています。しかしよっちゃんの弟は、何故かずっと貴子を見ているのでした…。

帰宅後、よっちゃんは家で弟が見ていたいかがわしい雑誌を取り上げました。なんとそこには、自慰をする貴子の投稿写真が掲載されていて…!

「これ、さっきいた姉貴の友達だろ?」と聞いてくる弟に、全然違うと言い切ったよっちゃん。しかし彼女も、実は貴子であると気付いていたのです。

その頃、自宅でビデオを見ていた一郎は、「いつの日かお前たちも『お父さんありがとう』と手をついて、別れを告げる日が来るのだな」としみじみしていました。

翌日、よっちゃんに写真の真偽を聞かれた貴子は、自分じゃないと嘘をつきます。しかし、その態度で写真の人物が貴子であると確信したよっちゃんは、悩んだ挙句一郎の店に行き、写真の件を話してしまうのでした…。

貴子が家に帰ると、そこには一郎と何故かよっちゃんの姿がありました。貴子に例の雑誌を突き出して、一郎は問い詰めます。彼女は、あっさりと写真に写っているのが自分だと認め、よっちゃんを「内輪の事だから」と帰しました。

一郎は、あくまでも優しく貴子に言います。「何故隠していたんだ?家族に隠し事なんてしちゃいけない。これからは何でも家族に話して、隠し事のない家庭にしようじゃないか。父さんは、お前たちのことを心配して…」

しかし、貴子はそこで遮りました。

「それが迷惑だっていうのよ。自分勝手だし、5年も家をほったらかしといて偉そうなことを言わないでよ。」

「何が『隠し事のない家庭』よ!姉ちゃん学校やめるし、母さん酒ばっかだし、親父は会社クビになるし!あんたのそのホームドラマごっこに巻き込まないでよ!うんざりよ、もう!」

一郎は、思わず貴子に平手打ちしてしまいます。そして家を飛び出していく貴子。雨の中、あてどもなく町を歩く貴子は、偶然にも道端でたむろしているカクマに出会いました。カクマに出演料をよこせと迫る貴子。彼はあっさりと、撮った写真と出演料を貴子に渡します。

そして貴子はカクマと行ったファミレスで、衝撃的なことを話している友人を目撃しました。

彼女たちが話していたのは、貴子のあの写真のこと。なんと、よっちゃんが友達中に言いふらしてしまったのです…!

飛び出したまま帰ってこない貴子を心配して、一郎と昌子は街中を探して回りました。そして、ちょうどファミレスから出てきたカクマたち。そこにはなんと貴子も一緒でした。激昂する一郎を見て、貴子は心底何もかも嫌になってしまいました。

家に帰ろうと腕をつかんだ一郎を貴子は跳ね除け、カクマの車に自分で乗り込みます。そして彼女はそのままカクマの家に行き、彼との快楽に溺れていくのでした…。

その頃、一郎は夜通し貴子のことを探し続けていました。

早朝、警察に行った一郎は、そこで不良の名前が『カクマ』であることを聞き出します。彼はカクマの家に押し掛け問い詰めますが、貴子は隠れていて見つけることができませんでした。

それから5日。貴子を探し続ける一郎と昌子の目に、信じられない物が飛び込んできました。それは、猛スピードで車をかっ飛ばしていく貴子の姿だったのです…!

貴子は、カクマたちと共に不良の集会に来ていました。その集会場所を知った一郎は、すっ飛んできて貴子を連れ戻そうとします。しかし、ちょうどその時警察が取り締まりに乗り込んできたため、貴子は混乱に乗じて一郎を振り払い、車で去っていくのでした。

その深夜、一郎はなんとカクマの家に侵入し、貴子を連れ戻そうとします。それに気づいたカクマに殺されそうになるものの、そこにちょうど警察がやってきて一郎は貴子と一緒に家に帰りました。昌子が密かに警察に通報していたのでした。

帰宅後、「腹が減ってないか?」と問いかける一郎をにらむと、貴子は自分の部屋に閉じこもってしまいます。優しく話しかける私のどこが悪いんだ?と疑問を浮かべる一郎に、昌子は「父さんの『やさしさ』は時々、ただの嫌がらせにしか見えないから。」と言うのでした。

翌日、貴子は未だ自分の部屋から一歩も出ずにいました。貴子の部屋に来て「ほら、温かい食卓を囲んで、なごやかな気分で語ろうじゃないか」と語りかける一郎に、彼女は突如CDラジカセを投げつけます。その行動に怒った一郎は、「いい加減にしろ!何が言いたいんだ!?こんな家より、アイツといた方がましだとでも言いたいのか!?」と怒鳴りました。

貴子は言い返します。「ああ、その通りだよ!てめえみたいな自分勝手で、人の話聞きもしねえで、エゴだけであたしたちしばって、それで『親の愛』なんて偉そうにぬかすバカ親父のいる家よりは、あいつらと遊んでた方が何倍もマシだったよ!」そして、その勢いでカクマとどんな行為をしていたかまでぶちまけた彼女を前に、一郎はただただ固まっているのでした…。

その夜…一郎はさくらと話していました。悩んだ挙句、彼は「もう私たちの力では貴子をどうすることもできない。できるのは貴子を殺すことぐらいだ。貴子を殺した後自分も死ぬ。」と言って、貴子を殺害することにしたのです…!さくらは、そんな彼の意見に、何も言わずただ従うのでした。

そして深夜、意を決して寝ている貴子の喉元めがけて包丁を突き下ろす一郎。

しかし、それはすんでのところで外してしまいました。一郎とさくらが枕元で散々しゃべっていたので、貴子が起きてしまったのです。貴子は殺そうとしてくる二人の攻撃をかいくぐり、「てめえらみたいな×××どもに殺されてたまるかっ!!」と、家の外に逃げようとしました。

――が、玄関は針金を何重にも巻いて固く施錠されています。ダイニングで一進一退の攻防を繰り広げる二人。それをさくらは黙って傍観するのみでした。

その時、昌子が「いい加減にしてよ!もう朝だよ!」と降りてきました。

一気に興が醒める二人と、「…ごはん炊かなきゃね。」と朝食の支度を始めるさくら。

4人で朝食をとっていると一郎はふいに「サービス業なんてのはやめだ。家で出来る仕事がいい」と言い出して、店を辞めてしまうのでした。

それから一週間。一応は学校へ行くようになった貴子。しかし、よっちゃんがあのことを散々言いふらしたおかげで、貴子はクラスの中で孤立していました。

授業もさぼって、屋上で一人たそがれる貴子。そのとき、同じく屋上にいた一人の男子生徒が話しかけてきました。屋上でマリファナを吸っていた彼、書原通称『ムシ君』。貴子はそれ以降、ちょくちょく屋上でムシ君と話すようになるのでした。

一方その頃、さくらは買い物に出かけ、公園のベンチでワンカップの酒をあおっていました。

そこに謎の男性が話しかけてきて…。

買い物から帰ったさくらは、新しい真っ赤なクツを履いていました。そして今日は自分が食事を作るといい、さらに「前から思ってたけれど、お父さんの味付け少し辛いです。」と一郎に言いました。

なんとなく今までとは雰囲気が違うさくらに、一郎と貴子はきょとんとします。

あくる日、屋上で貴子はムシ君にそのことを話しました。「それは男ができたんじゃないか?気を付けた方がいいよ。どんどん女の子みたくなって、花束なんて抱えてきたらコトだよ。」と忠告するムシ君。そしてその日の夕方、買い物にでかけて帰ってきたさくらは…大きな花束を抱えていたのでした。

我が家にそんなもので浪費する余裕はないという一郎に、さくらは反論します。

「いいえ、今のうちに一番必要なのは『こんなもの』ですよ。」さらにはさくらが珍しく口紅も塗っていることに、貴子は気づきました。そのことを指摘すると、彼女は何年かぶりに家族に笑顔を見せるのでした…。

さくらはこのところ、毎日のように夜中にだれかと電話しています。それも、とても楽しそうに…。そのことに気がついた貴子は、ムシ君に相談しました。「尾行してみるべきだ」というムシ君の提案に、最初は取り合わなかった貴子でしたが…。

結局貴子は学校をさぼって、さくらの尾行をすることにしました。そして何故かついてくるムシ君。公園で見つけたさくらは、見知らぬ男とある建物の中へ入っていきます。

そして貴子たちも入ると、そこではちょうど何かのセミナーをやっていたらしく、その部屋に案内されました。

そこには『ニコニコ人生センター 特別研修セミナー』という幕がかかっていて、なんとさくらがスピーチをしていたのです…!

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「私は孤独で、ずっとその気持ちを否定しようとしていました。

5年前から夫が北海道へ単身赴任となり、盆暮れに帰ってくるか来ないかでした。

夫との気持ちのない会話・子供たちの世話に炊事洗濯だけの生活。住宅ローンで余暇を楽しむ余裕もない。そんな味気ない日々が、私をアルコール依存へと導いたんだと思います。

私は弱い人間でした。自分というものがない私に、『いまわしい渦巻き』が入りこんでくるスキマができたのだと思います。

私は、娘たちが目の前で凌辱されても、不良に家をメチャクチャにされても、娘が自殺未遂したときも、夫が娘を殺そうとした時も、何か言わなきゃ、何かしなきゃと思いながら、何一つできませんでした。

なぜ私たちの家ばかり不幸が起きるのか?全ては我が家に入り込んだ『いまわしい渦巻き』のせいでした。

私は常に何かのドレイでした。夫の、家事の、酒の。45年間、私は生きてませんでした。命令で動くロボットのようでした。」

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ここまで淡々と話すと、さくらは突然涙を流しながら吐き出すように言葉を続けました。

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「私は恐ろしかった、本当に恐ろしかったんです。

娘たちが目の前で凌辱された時も、あの男たちが夫を殺そうとした時も、娘が自殺未遂をした時も!夫が失業した時も、娘が家出した時も、夫が娘を殺そうとした時私は殺す手伝いさえしようとしていたんです。我が子をこの手で平気で殺そうとしていたんです!!

私は一言も何も言えなかった。本当は死ぬほど泣き叫びたかったんです。嘘だ、平和な我が家にこんな恐ろしいことが起きるはずがない。目の前のことは全部悪い夢だと思いたくて、でも叫びたくても叫ぶことができなかったんです。

叫ぶと目の前の悪夢が本当に起きたことになってしまう。だけど、全部本当だったんです。本当に全部起こったことだったんです。

でもそれを本当だと思ってしまったら、悲しくて苦しくて泣き叫んで死んでしまうんです。

死んでしまうほど恐ろしかったんです!!」

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号泣しながら、自分の心情を吐露したさくら。拍手が沸き起こる室内で、貴子はただ呆然としていました…。貴子は、そのことを家族の誰にも言わないでいるのでした。

さくらの帰宅後、一郎は無断で100万円の定期預金を解約したさくらを問い詰めました。

「これは自分がやりくりして貯めたお金で、それを自分がおろしただけです」と主張するさくら。それは私が汗水流して働いて稼いだ金じゃないか、と一郎は反論します。

しかし、さくらはさらに反論しました。「私だって汗水流して働いたんですよ。何故あなただけ働いたって言えるんですか?『パートはいかん、お前には家を守る役目がある』と言って、私を家に閉じ込めたのはお父さんじゃないですか。私はお父さんの言う通り、一生懸命家を守るために働いてきたんですよ。」

さらにさくらは、おろしたお金を「少しですが増やしておきましたから。」と言って一郎に渡しました。仕事もしてないのにどうやって増やしたんだ?と聞く一郎に、「知りたいですか?」とさくらは不思議な笑みを見せるのでした…。

…翌日、『ニコニコ人生センター』の頓田林なる人物が、突然鈴木家を訪ねてきました。

どうやらさくらが彼を呼んだようです。彼は、さくらが公園で会っていた男性でした。「今日は私たちの活動をよく知って頂きたいと思って来ました」と話す頓田林。

そして一郎は「母さんがあんな風に変わった理由とその正体を見極めねばなるまい」と、センターの車に家族全員で乗り、いずこかへ向かいます。山道を延々と走って着いたのは、先日のビルではなくセンターの本拠地である『ニコニコ魂の故郷』なる場所でした。廃校になった校舎を引き取り、無農薬野菜などを作っているとのこと。

頓田林は、我々は宗教ではなく、ここに集う人たち全ての人生が『ニコニコ』したものにすることが目的の、共同組合のようなもの、と一郎たちに説明します。さらに彼は、彼らの団体は駆け込み寺のようなものだとも説明しました。一郎はそれをうさん臭いことこの上ない、といった顔で聞いているのでした。

ここでさくらがとんでもないことを言い出しました。なんと今日はここで一泊しようと言い出したのです!貴子は嫌がりますが、既に送迎車は出てしまった後で、彼ら一家はここに泊まらざるを得ませんでした。

一郎は教室で行われているセミナーを観察し、「母さんをトリコにしたその正体を見極めねばならん」と躍起になっていました。その夜。さくらと話をし、今のところ危険な思想をふき込まれたり、金を騙し取られてるわけでも無かったため、『しばらく様子を見る』ことにした一郎。

一方、昌子は頓田林と話をしていました。そして頓田林の言う『ストレス解消法』を行った昌子は、あの忌まわしい記憶のフラッシュバックが起こり、錯乱してしまうのでした…!

駆け付けた一郎は、怒りのあまり頓田林を殴り飛ばしました。暴れる昌子に、起き上がった頓田林は『鎮静剤』と言って何らかの薬を注射しようとします。一郎は制止しますが、武道の心得のある頓田林にみぞおちを突かれ、意識を失ってしまいました。そして、昌子と一郎に、謎の鎮静剤が打たれてしまうのでした…。

貴子は、鎮静剤が効いたのか眠っている一郎と昌子の横で、頓田林と話をしました。

「人は皆、何かによっかかってなければ生きていけない。家族、仕事、宗教…あなたのお父さんもね。『家族を守る、家庭を守る』という信念に異常なまでに執着している。それにすがって生きている気がします。まるで『家庭中毒』とでも言うような…わかりますか?」

そう話す頓田林に、貴子はただ「バカだからわかんない。」と返すのでした。

その翌日、一家は普通に家に帰りました。そしてさくらはその後も相変わらずセミナーを続け、一郎は不満ながらもそれを黙認しています。ただ一つ、困ったことに…昌子はその時のショックが原因で、家の外に出ることができなくなってしまったのです。

ある日、学校から貴子と迎えに行った一郎が帰ると、家には例の「ニコニコ人生センター」の会友が大勢来ていました。「昌子がさみしくないように」などという理由で来たと言う会友達ですが、何故か『幸々茶』なるあやしいお茶をしきりに勧めてきます。

さらにその翌日、帰宅した一郎と貴子が見たのは…、家中に所狭しと積まれた段ボールの山でした。そして、せっせと『幸々茶』の梱包をするさくらと昌子の姿があったのです。さくらは、お茶の売り上げの一部が自分たちにも分配される、と楽しそうに話しました。

堪忍袋の緒が切れた一郎は、「こんなものは悪徳商法じゃないか!その片棒なんか担がされて!」と怒鳴ります。

そこへ、銀行員がやってきました。住宅ローンの返済が滞納されていて、このまま支払いがなければ家を失うとのことです。一郎は未だに仕事が見つかっていなかったのです。そこへさくらが「仕事ならあります。」と言ってきました。

そして…一郎は、その『悪徳商法の片棒担ぎ』をする羽目になるのでした…。

貴子は、この頃昼食はいつも屋上でムシ君と食べていました。今日もいつものごとく、ムシ君の話を適当に聞き流していた貴子でしたが、そこに『ムシ君の友達』がやってきます。

しかし、彼らは実は友達なんかではなく、いつもムシ君をイジメて楽しんでいるような連中でした。貴子にもからんできた彼らでしたが、なんと貴子は箸をそのうちの一人の鼻に突き刺してしまいます!

そしてその日の夕方、鈴木家にその箸を刺された男子・高見とその母親が押し掛けてきました。さらには担任もやってきて話し合いをするものの、担任は事なかれ主義な上、一郎とその母親でヒートアップしてしまいます。

あくまでも、「自分はちょっとふざけてただけ。貴子が危ないことをしてたので注意したら、彼女がいきなり暴れて箸を突き刺してきた」と主張する高見。

らちがあかないので、ムシ君の言い分を聞きに行くと、なんとムシ君も、怯えた顔で高見の主張に同調するのでした…。その晩、電話口で「ああ言わないと明日から生きていけない」と泣きながら貴子に謝るムシ君。しかし貴子は、無言で電話を切るのでした。

その翌日から、高見のグループによる貴子への嫌がらせが始まりました。机には卑猥な落書きをされ、黒板に大量にあの記事の切り抜きを貼られ、弁当箱には石を詰められてしまいます。

そしてそんなある日、事件が起こりました。さくらが突然書置きを残して失踪してしまったのです!書置きには、「家の中にある悪しき渦を断ち切るため、さらなる修業に打ち込もうと思います。探さないでください。」と書いてありました。

あのセミナーのビルに行ったのでは、と思って一郎と貴子は訪ねに行くも、そこにもさくらの姿はありません。

こんな状況でも、学校にいた方がまだ楽だと思っていた貴子は学校に行きます。

担任も『とにかく波風をたてないように』というような感じで、全く役に立ちません。

そんな中、ムシ君は怯えながらも、貴子に屋上の合鍵をくれました。彼もまた、高見たちによるイジメが激化している最中でしたが、貴子へのお詫びの意もこめてわざわざ作ってきてくれたのです。貴子はその合鍵を使って、屋上で昼寝をするようになりました。気がつくと世間は春になりかけているのでした。

そんなある時、放課後学校に迎えに来た一郎は、待てども貴子が出てこないので、心配して校舎の中に探しに来ました。そして彼の姿を見たよっちゃんが、一郎に話しかけてきて…。

その後、一郎は放送室に勝手に入って、校内放送で貴子を呼び出します。

屋上で昼寝をしていた貴子は、飛び起きて腹を立てながら放送室へ行きました。そして一郎は、「おまえが学校で『イジメ』を受けていたなんて。さあ職員室に行こう」と言い出します。よっちゃんが、貴子がイジメに遭っていることを一郎に話したのです。

担任に直談判する一郎ですが、相変わらずののらりくらりな対応に業を煮やし、そして…。

その翌日、授業中教室の後ろでずっと監視する一郎の姿がありました。それから毎日、一郎は始業から終業まで見張ることにしたのです。

一方その頃、さくらは会友達と『訪問』なるうさんくさい勧誘活動をしていました。そんな折、本部が大変なことになっているという知らせが入り…。

ある日、テレビを見ていた鈴木家は仰天しました。「『ニコニコ人生センター』が警視庁による強制捜査を受けた」というニュースが報道されたのです。「多くの会友から多額の会費を徴収、所得税法、証券取引法、外為法、麻薬取締法違反の他、銃剣等不法所持の疑いもあり…」とキャスターが読み上げ、なんと画面には…機動隊ともみ合うさくらの姿が映っていました!

そして、ある人物が家のチャイムを鳴らしました。

それは、なんとさくらでした。「もみ合いの途中で我に返って恐ろしくなり帰ってきた」と話すさくら。その時、ニュースは信じられない言葉を続けました。

「当局は『主宰者』である鈴木さくら(45)を全国に指名手配し…」さくらは、頓田林に頼まれて自分の名義を貸していたのです。

その時、鈴木家に警部が訪ねてきました。重要参考人としてさくらに同行願いたい、と話す警部に、家族を引き渡すわけにはいかないと一郎は追い返してしまいます。翌朝、家の周りは駆け付けたマスコミでいっぱいとなっていました。

それから3日。貴子以外の家族は、家に立てこもっていました。貴子だけは「こんなことで学校休むなんてカッコ悪い」と、報道陣をかいくぐり登校しています。相変わらず、家の周りはマスコミや警察がうろついていました。

いつもの屋上で、貴子とムシ君は話していました。ムシ君は、貴子が高見の鼻に箸を突き刺したとき、心から感動したと話します。そして自分がイジメに遭うのは、そういうことができないせいだ、と。

貴子の「わかってるなら、あんたもそうすればいいでしょ」と言う言葉に、ムシ君は「…オレやるよ。オレ、やるときはやるからよ、見ててくれよ」と返すのでした。

そして…ムシ君は、宣言通り、本当にやったのです。取返しのつかないことを。

ある晩、買い物に出た貴子は彼女を呼び止める声に気がつきます。貴子の帰りが遅いと心配する一郎は、驚くべきものを目にしました。貴子が帰ってきたのです。顔も手も血まみれになったムシ君を連れて…。

その時、テレビでは「中学校でイジメられた生徒が、逆にカッターで切りつけるという事件が発生しました。被害者のA君は現在、大腿部動脈切断による出血多量の為重体です。加害者の少年はその場から逃走し行方不明…」というニュースが報道されていました…。

お風呂に入り、血まみれの制服を着替えて夕食をごちそうになるムシ君。一郎は彼を「君は勇気をもって正しいことをやったと自覚するべきだ。『集団で弱者をいじめる』などという最低の輩どもは、人として存在するに値しない。心配することはない。カッターで切りつけただけで、人はそんな簡単には死なんよ。」と励まします。

その時、ニュースに「被害者の少年が出血多量により死亡した」という続報が入りました。

その場に崩れ落ち、吐いてしまうムシ君。一郎たちは、そんな彼をただ見ているしかありませんでした…。

その後、多少は落ち着いてベッドに横たわり、ムシ君は思い出していました。

高見が、「俺のをしゃぶれ」と言ってきたこと…

彼らが怖くて、言われたとおりにするしかなかったムシ君を、取り巻きたちがはやし立てていたこと…

そして、密かにカッターを取り出し、高見の股間を切りつけてやったこと…

そこから噴き出る大量の血と、一瞬にして凍り付いたその場の空気…

ムシ君はそれら全てを思い出して錯乱し、絶叫しました。その声を聞きつけ、駆けつける貴子。

「俺、死ぬほど怖かったんだ。やるしかなかったんだよ。やらなきゃ俺は、俺は……」

気が動転したムシ君を、貴子がなだめました。

「大丈夫、お前はよくやったよ、本当だよ!!お前はやるべきことをやったんだよ、大丈夫だよ。」

そして、貴子はムシ君をなだめて、彼を抱きかかえるようにそのまま一緒に眠るのでした。

鈴木家が立てこもりだして、1週間。2日前にはムシ君も加わり、彼は自分の家族に連絡するのを嫌がって、鈴木家にかくまってもらっていました。マスコミも未だうろついており、警察は何かを待っているかのようにずっと家の周囲で監視しています。

そんな折、センターの顧問弁護士の肉島が、ムシ君を警察に引き渡してはどうかと提案してきました。出頭の決心がつかないムシ君の横で、さくらが突然「私もやっぱり警察に出頭しようと思うんです。」と発言します。うろたえる肉島に、彼女は「誰かの為ではなく、自分のために生きろと教えてくれたのは、あなたがたなんですよ。」と静かに言うのでした。

しかし、それを聞いて一郎は激昂しました。話せばわかってくれると言うさくらに、警察はそんな物分かりのいい連中じゃない、といつもの持論で反論します。

丁度その時、玄関をノックする警部たち。強制立ち入りも辞さない剣幕でした。一郎はさらにヒートアップし、そして…お腹を抱えて、急に倒れてしまいました。

床に伏してうめく一郎。家に入ってきた警部が衣服を楽にしてあげようと、彼のシャツを開けました。すると一郎の腹部には、大きな手術跡があったのです…。

後日、一郎は入院していました。

一郎が今回倒れたのは、ストレスからくる急性胃炎によるものでした。不安そうな彼に、担当医師は「大丈夫、一昨年の『胃ガン』の再発ではありません。でも、この際詳しく検査しておきましょう。」と話します。

1992年暮れ。北海道――一郎は、医師に胃ガンと宣告されました。初期のごく小さい物だったので、一郎は家族にも本社にも知らせませんでした。

そして現在。検査の結果、転移も再発もないと言われ、一郎は安堵しました。

5年ぶりに家に帰ってきてからトラブル続きで、悪いことは重なるものなので再発したのではと心配だったのです。しかし、再発していないことで、一郎は久しぶりに心底ほっとしていました。これでやっと普通の平和な家庭生活が営めそうだ、と。

そこへ、貴子・昌子・さくらの3人がお見舞いにやって来ました。

さくらは、頓田林が捕まって自供したことにより、前日釈放されていました。昌子も、道中吐いてしまったもののなんとか外に出ることができたとのこと。ムシ君は3カ月ほどの教護院入りで済むそうです。

一郎は、「こんな平和な気分は、本当にいつ以来だろう。ここまで本当に長いことかかったような気がする。やっと、これから本当の『生活』が始まるのだ。」と安らかな顔をしていました。しかし…さくらが怪しいハンコを買ってきたことを皮切りに、昌子は一人暮らしをしたいと打ち明け、貴子も「なら自分も」と同調します。

またもや吹き荒れそうな嵐の気配に、一郎は冷や汗を流します。

その晩病室で一人、一郎は思い出していました。

一昨年見つかった胃ガンは、実は初期よりもずっと進行していたこと…

それをクランケには黙っておこうと医師たちが話しているのを、偶然聞いてしまったこと…

突然の辞令に驚きつつも、この機会に家庭を省みようと思って帰ったあの日のこと…。

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「あれからもう一年近くが経った。

今夜も私は同じ夢を見るだろう。いつもと同じ夢だが、いつもと少しだけ違う夢を見るだろう。

月の夜、走り去る車。コンビニの前に置き去りにされ、待ってくれ、置いていかないでと声の限りに叫ぶ子供――

それは―――、私だ。」

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そして、一郎が退院して数日が過ぎました。

貴子は相変わらず一郎に反抗的でした。昌子も大検の勉強のかたわら、物件探しをしている様子です。そしてさくらは性こりもなく怪しげな物を買っています。

そんな時、元の会社の部下が家を訪ねてきました。一郎に復職してロシアへ出向しないかというのです。期間は5年。

一郎は、何か考えていたようでした。そして彼は家族をダイニングに集めて、こう切り出しました。「本日をもって、我が鈴木家は解散する。」と…。

一郎は続けます。「この一年色々なことがあったが、我々家族はそれで絆が深まるどころかかえって亀裂が入ってしまったように思える。何故こんなことになってしまったのか?それは、この一年私が皆を家の中に閉じ込めてきたせいではないのか?

危険だらけの外の世界だが、しかし今こそ勇気を出して踏み出すべきではないのか?

ここで一度、一人一人になって、考えてみようじゃないか。そして一年後に再会し、その時お互い家族をどのくらい必要としているのか確認しよう。一緒にやっていくか、バラバラでいるか、その時にもう一度決めようじゃないか。」

意を決して言った一郎に対し、「いいんじゃない?」とあっさりと賛成していく3人。一郎はそれに多少動揺したものの、ここで家族の意見が、初めてまとまりました。

―――翌日、鈴木家は解散したのです。

解散する朝はとても良い天気でした。最後に、家の前で皆で記念写真を撮る鈴木家。簡潔な別れを言うと、皆はそれぞれ去っていくのでした。

その後、昌子が聞いた話では、一郎は復職していないそうです。一体一郎は、どこで何をしているのでしょうか…?

そして一年後。家は人に貸しているため、近くのファミレスに集う4人。

貴子はムシ君の家で世話になっていて、彼の親に随分気に入られたようです。昌子は大検・大学共に受かり、バイトをしながら学生生活を送っているとのこと。さくらはニコニコ人生センターの仲間と怪しげな商売を始めていました。そして一郎は、自分は今何をしているのか、とうとう言いませんでした。

一年ぶりの再会に、これまで考えられない程会話が弾んだ4人。貴子は、相変わらずの一郎の口うるささが気にならなくなっていました。しかし、この後どうするか?という議題は、このままそれぞれでやっていくのが一番という結論に至るのでした。

そして、また一年に一度は集まるということになりました。家は売って、ローンを引いた差額は皆で分けることに。

昌子「結局、うちはこういう風になるのが、一番良かったのね。」

貴子「少し変な形だけどね。」

皆と別れた後、あんまり天気がいいので少し涙が出た、という貴子。本当の理由は、彼女以外誰も知りません…。

その後も一年に一度や二度集まっては食事し、時には一泊二日で旅行に行ったりもしました。

そして、5年後―――、一郎のガンが再発したのです。

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『ありがとう』の見どころ

「『家庭』とは、何でありましょうか?」

冒頭の問いかけに対するこの作品の回答は、おそらく『近すぎる他人の集まり』ではないでしょうか。主人公である一郎以外は。

そう、この物語の主人公は貴子ではなく一郎なのです。貴子はあくまでも狂言回しに過ぎません。これは、『家族』と言う名の他人の集まりの中で、一人『家庭』という幻想に取りつかれて奮闘する男の物語なのです。

そしてこの作品は、鈴木家をとりまく人間たちの描写が非常にリアリティーあるものとなっています。意外にも頭が回り、言葉巧みに貴子を惑わしてくるカクマ、おしゃべりで悪気はないけど貴子の秘密を吹聴してしまうよっちゃん、事なかれ主義で、生徒のことより『問題を起こさない・問題を明るみに出さない』ことしか考えていない教師など…。

そんな外敵たちの脅威から家庭を守るために、一郎は彼らとは逆にあまりに非現実的な『ぶっ飛んだ』行動の数々を行います。その現実的な敵に対する非現実的な行動も、この作品の面白さとなっています。

『ありがとう』を実際読んだ感想

『ザ・昭和の男』といった人間を父に持つ身としては、どちらかと言えば貴子の方に共感します。わかるよ、父親って何でこうデリカシーが無くて、子供のことに対する察しが悪いんだろうね…と、うなずきながら読んでいました。

しかも、おそらく貴子はどちらかと言えば一郎に性格が似ているのもまたリアルでした。同族嫌悪というか、ああいう親に性格が似ると本当に家庭内の戦争勃発は避けられないんですよね…うちのことですが。

しかしそれでも、家族の中で一人だけ歯車がかみ合わず、かつたった一人家庭を守るために奮闘する一郎の姿は、こっけいでありながら、それ以上に非常に哀れに感じした。

鈴木家のうちの誰が悪い、ということではないのでしょう。ただ、彼らはそれぞれが全く違う方向を向いていて、それぞれの線が交わることが決してありませんでした。

一郎は必死にその線を束ねようとしていましたが、それはかなわぬ夢に終わってしまいます。

鈴木家が解散した後、彼はどこで何をして、何を思っていたのでしょうか。それを考えると、少し胸が苦しくなります。

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